総会長挨拶

総会長内田 信一
東京医科歯科大学医歯学総合研究科腎臓内科学 教授

第67回日本腎臓学会学術総会長を拝命致しました東京医科歯科大学腎臓内科の内田信一でございます。開催担当の機会を与えて頂きましたことを、腎臓学会関係者の方々に深謝いたします。

今回は、2024年6月28日から30日に、パシフィコ横浜ノースで開催いたします。開催形式は、コロナも収束に向かいつつありますので、対面を基本としつつも、WEB参加の形も今後も必要であろうという事で、オンデマンドの部分も継続し開催される事となりました。

今回の学術総会のテーマは「腎臓科学の高みを目指して」とさせていただきました。昨今、日本の研究力低下を指摘される現状に対して、今でも高い水準である日本の腎臓分野の研究を、世界をリードする存在としてさらなる高みへ、という思いからこのようなテーマをあげさせて頂きました。働き方改革や専門医制度等の影響もあり、腎臓学会員の多くをしめる臨床系の学会員が、研究に割ける時間は危機的な段階まで減少しております。この現状を打破するには、時間を確保するための制度的な改革も必須ですが、なにより科学的な好奇心、つまりcuriosity-drivenな研究をしてみたい、と若い先生方が思ってくれることが必須になります。本会におけるいろいろな講演を聞き、演題を出して討論に参加する事で、そのような思いを得るきっかけになってくれればと思う次第です。

2024年10月には私の所属する東京医科歯科大学は東京工業大学と統合して東京科学大学となります。腎臓病学の分野でも、医学のみでなく、工学系、さらには人文系など、多くの分野との連携により、新たなイノベーションを生み出し、社会に貢献できる科学を発信する事が求められているかと思います。

本大会の企画は、このような現状認識に基づき、慈恵医科大学の横尾隆先生が委員長をお務め下さるプログラム委員会が、御多忙のなか素晴らしプログラムを作成して下さっています。
会員の皆様には、今後お知らせする演題募集に合わせ、是非活発に演題投稿をしていただければ幸甚です。

横浜でお目にかかれますことを楽しみにしております。